Ruby 1.9.3 リファレンスマニュアル > ライブラリ一覧 > ostructライブラリ > OpenStructクラス

class OpenStruct

クラスの継承リスト: OpenStruct < Object < Kernel < BasicObject

要約

要素を動的に追加・削除できる手軽な構造体を提供するクラスです。

OpenStruct のインスタンスに対して未定義なメソッド x= を呼ぶと、 OpenStruct クラスの BasicObject#method_missing で捕捉され、そのインスタンスに インスタンスメソッド x, x= が定義されます。 この挙動によって要素を動的に変更できる構造体として働きます。

require 'ostruct'
ab = OpenStruct.new
ab.foo = 25
p ab.foo          # => 25
ab.bar = 2
p ab.bar          # => 2
p ab              # => <OpenStruct foo=25, bar=2>
ab.delete_field("foo")
p ab.foo          # => nil
p ab              # => <OpenStruct bar=2>

初期化にハッシュを使用することもできます。

son = OpenStruct.new({ :name => "Thomas", :age => 3 })
p son.name        # => "Thomas"
p son.age         # => 3
son.age += 1
p son.age         # => 4
son.items = ["candy","toy"]
p son.items       # => ["candy","toy"]
p son             # => #<OpenStruct name="Thomas", age=4, items=["candy", "toy"]>

目次

特異メソッド
new
インスタンスメソッド
== delete_field inspect to_s modifiable new_ostruct_member
定数
InspectKey

特異メソッド

new(hash = nil) -> OpenStruct[permalink][rdoc]

OpenStruct オブジェクトを生成します。

ハッシュが与えられたとき、それぞれのキーを生成したオブジェクトの要素にし、値をセットします。

[PARAM] hash:
設定する要素とその値を指定します。 hash には Hash クラスのインスタンス、または配列の配列を用いることができます。
[EXCEPTION] NoMethodError:
hash のキーが to_sym メソッドを持たないときに発生します。
require 'ostruct'
some1 = OpenStruct.new({:a =>"a",:b =>"b"}) # => #<OpenStruct b="b", a="a">
some2 = OpenStruct.new([[:a,"a"],[:b,"b"]]) # => #<OpenStruct b="b", a="a">

インスタンスメソッド

self == other -> bool[permalink][rdoc]

自身と比較対象のオブジェクトが等しい場合に真を返します。 そうでない場合は、偽を返します。

[PARAM] other:
比較対象のオブジェクトを指定します。
delete_field(name) -> object[permalink][rdoc]

nameで指定された要素を削除します。

その後その要素を参照したら nil が返ります。

[PARAM] name:
削除する要素を文字列かシンボルで指定します。
[RETURN]
削除前の要素の値を返します。
inspect -> String[permalink][rdoc]
to_s -> String

オブジェクトを人間が読める形式に変換した文字列を返します。

[SEE_ALSO] Object#inspect

modifiable -> Hash[permalink][rdoc]

このメソッドは内部的に使用されます。

自身が Object#freeze されている場合にこのメソッドを呼び出すと例外が発生します。

[EXCEPTION] TypeError:
自身が Object#freeze されている場合に発生します。
new_ostruct_member(name) -> Symbol[permalink][rdoc]

与えられた名前のアクセサメソッドを自身に定義します。

[PARAM] name:
文字列かシンボルで定義するアクセサの名前を指定します。

定数

InspectKey -> :__inspect_key__[permalink][rdoc]

内部的に使用する定数です。